このブログ記事は2016年に投稿された内容です。つくし青年会議所は1年ごとに役職や活動内容が刷新されますので、この投稿の内容は最新のものではない可能性がございます。予めご了承下さい。
こんにちは。総務・例会運営委員会の日下部です。
つくしの心「万葉集」の紹介も第4回となります。ここ筑紫地区に所縁のある詠み手、和歌を中心にご紹介して参りましたが、今回は、この万葉集に深い関わりを持つ大伴家持とその歌ご紹介します。
大伴家持は、大宰帥・大伴旅人の子にあたります。家持自身、二度九州にきています。最初は13歳の頃。そして47歳の時には薩摩守、そしてその2年後には大宰少弐となって4年間を大宰府にて過ごしています。万葉集の編纂には諸説ありますが、天皇の勅撰説と大伴家持の編纂説があり、現在では、後者の大伴家持編纂説が有力と言われています。その事実は今では立証できないものではございますが、掲載されている和歌も家持が一番多いことから重要な役目を担っていたことは疑いようもありません。
読み下し文)「うつせみの 世は常なしと 知るものを 秋風寒み 偲ひつるかも」
万葉集巻3・465 大伴家持
現代語訳 )この世は、はかなく無常なものだと知ってはいるけれど、秋の風が寒く冷たいので、亡くなったあの人(妻)のことが偲ばれてならない
この歌。父・大伴旅人の「世の中は空しきものと知る時し、いよよますます悲しかりけり」という歌に酷似しています。 共に妻を亡くし、その悲痛を歌った歌です。家持もまた、筑紫地区に欠かすことのできない重要な人物であります。
